Astell&Kern AK70 レビュー 質感・操作性・音・価格のバランスが良く取れたDAP




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Astell&Kern AK70、ついに登場しました。

AK Jr.では快適とは言えなかった・差別化され過ぎていた操作性など基本的な部分がしっかりしてそうだし、バランス接続もWi-Fiも付いている!

ということで、近場で視聴できる場所もなくどうしても気になってしまったので、Pinnacle P1に続き、未視聴ながら購入してみましたのでレビュー。

開封・付属品をチェック!

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早速開封。箱も非常に小さいです。

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本体下に付属品が入っていて、

簡易説明書・保証書・microUSBケーブル・画面保護フィルム×2・背面保護フィルム×2
・SDスロットカバーが付属しています。

私は、画面には保護ガラスフィルムを貼りました。おすすめです。

AK70ではケースは付属しておらず、別売りとなっています。

 

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本体は、全体を覆うようにフィルムが付けられています。

本体・スペックをチェック!

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写真で見て小さいというのは分かっていたのですが、現物を見るとやっぱり小さい。

手に取ると、ズッシリと重すぎない程よい重量感で小型ながら安っぽさは感じられません。

今回カラーリングがミスティミントということもあって可愛らしいです。
好みは分かれそうですが、AKのことなので後々カラバリは数色出てきそうですね。

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比較としてiPhone 6sと並べてみましたが、この小ささ。

胸ポケットにすっぽり収まるサイズ感です。

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比較的小型なDAP、DX90と並べても一回り程度小さいです。
小型な割に縦に長い画面であるため情報量が多くスクロールしやすいのもいい点。

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正面からとらえるとこんな感じ。画面の発色も良好です。

画面の下に薄く○となっている部分はホームボタンとなっており、タップするとホームにいつでも戻れます。スマホほど多用するものではありませんが、あると便利です。

せっかくなら「戻る」ボタンも置いてくれたら便利なのでは?とは思います。

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背面はこんな感じ。クリアパネルが綺麗です。

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右側のボリューム部はAK第3世代へと移行してからは最上位であるAK380でしか採用されていない形状のダイヤルとなっています。回し心地・質感共に良い感じ。

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左側には曲送り・再生停止・曲戻しボタンとmicro SDスロットが1つ付いています。

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micro SDは、仕様では128GBまでとなっていますが200GBも使えるようです。
内蔵メモリは64GBとなっているため現状は最大264GBとなっています。

恐らく対抗機種となるDP-X1などのDAPはmicroSDスロットが2つあるため、その点は劣っています。最大264GBとなっているため、そこがどうなのかは人に依りそうです。

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上部には、電源・ロックボタン、2.5mm4極バランス出力ジャック、3.5mmフォンアウトジャックがあります。

AK Jr.には無かったバランス出力をエントリー機ながら搭載したのは良いですね。

廉価モデルなため省略されているかなと思っていた機能だったのですが、バランス接続端子にイヤホンを接続すると自動で認識して切り替わる機能が上位のAK第3世代と同様に搭載されている点も非常に良く、いちいちタップ操作で切り替えなければならないストレスはありません。

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下部にはmicro USBポートがあります。
AKでは初のUSBで外部出力が出来るようになっており、DSDはDoPで5.6MHzまで、PCMは384kHz 32bitまでデジタル出力が可能です。

小型さを活かして小型なUSB DACへのデジタル出し用プレーヤーとしても重宝しそうです。

 

ハイレゾ音源の再生ですが、

PCMは最大384kHz/32bit、DSD128(5.6MHz/1bit)の再生に対応に対応しており、ネイティブ再生は192kHz/24bitまでとなっています。

352.8kHzは176.4kHz、384kHzは192kHz、32bitは24bitにダウンコンバート、DSDはPCM176.4kHz/24bitに変換となります。

 

対応しているファイル形式は、

WAV, FLAC, MP3, WMA, OGG, APE, AAC, ALAC, AIFF, DFF, DSF となっています。

安定のAK第3世代の操作性・機能性

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AK Jr.ではお世辞にも快適とは言えなかった操作性ですが、AK70ではAK380,AK320の第3世代同等のUIでサクサク動くので特に不満なく使用できます。

純粋なAndroidではなく独自チューニングのOSを採用し、タッチパネルを用いたDAPの中ではピカイチ操作しやすいと思います。

例えば上部からスワイプすると画像のような画面が出てきますが、ここからワンタップでUSB接続時のDACモードかMTPモードかなど、主要な機能の切り替えをすることができ、とても使いやすいです。

とは言っても惜しい部分はある

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とは言ってもまだ惜しい部分もあって、スクロールの動作感と検索する際のキーボードにフリック入力が選択できるようになれば良いなと思いました。
そもそもキーボードなんて出てこない、検索できないDAPを使っていた身からすると検索できるだけでも画期的なんですけどね。

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Wi-Fiが搭載されたことによりDLNA機能として「AK Connect」というiPhoneからAK70を操作したりiPhone内の音楽をAK70で再生出来たりする機能が使えるようになり、エントリー機ながらDLNAを使用できるのは人によっては便利です。

ただ、スマホ側のアプリはイマイチ洗練されておらず、iPhone 6/6sの解像度に対応してないのも残念です。

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Wi-Fiを使用してAk70からハイレゾ音源を購入することが出来るストア「Groovers+」にアクセスできるようになりましたが、使い勝手はイマイチです。品ぞろえもイマイチです。

音質をチェック

あくまで、個人的な感想です。参考までに。

まずはアンバランス接続

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第三世代のAK3XXとは方向性が異なり、リスニング向けのチューニング、じっくり聴かせる・空気感を大切にしているというより楽しい感じで、AK Jr.の後継という位置付けとしているのは音作り的になのかなと思わせる音でした。

Ak Jr.の音を整えて低域も高域も強すぎず弱すぎず、強いて言えば低域が気持ち強いかな?といったバランスの取れたサウンドで1音1音に沈み込む感じはせず、ポップでメリハリ楽しい感じです。ただし、パワフルで元気というわけでもなく、優しさも持っています。

音場感は普通。解像度感は良い方という印象。程よい繊細さを持っています。

音の暖かさは、暖かい音でも寒い音でもなく中間といった感じです。

普段使いはiBasso DX90を長らく使っているのですが、DX90のように濃くクセの強いサウンドではなく、色んなイヤホンに合わせやすい汎用性の高そうな音だなという印象を受けました。

普段6割くらいアニソンを聴く私ですが、アニソンとの相性も良いようでした。

最近よく聴くPerfumeのCOSMIX EXPLORERなんかともいい感じです。割と何でも行けます。

評価したいバランス接続

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ファーストインプレッションで出音を感じたときにバランスだ!と感動してしまいました。

というのも個人的にバランス接続というと、「僕クロ」という自作アンプを不慣れながらユニバーサル基板で組み立てたのに始まり、これがバランス接続の音!と感動しておよそ2年が経過しましたが、その中でこれまでに多くのDAPやポタアンにバランス接続が搭載されてきました。

僕クロを通せば、1音1音クッキリと低域は下の方にしっかり低位し、キレが生まれ、クリアに感じられる(分離感を得られる)のですが、出てきたDAPの中で「僕クロ」に近い音の出し方をするバランス接続対応のDAPは殆どありませんでした。あっても、操作性の面やデザイン、サイズ感がダメで購入に至らず。

Astell&Kernも上位機種を含めて同様にあまり好みではありませんでしたが、今回のAK70に関してはこれまでとは異なり、低域がクッキリが現れて全体の見通しが良くなりクリアに、1音1音の輪郭もしっかりと現れてバランスらしい定位感が生まれます。
これ本当にAKなの?と思ったほど。びっくり。

驚きのあまり感動していましたが、聴き込んでいくと、音全体がツヤがかっている雰囲気が気になるのと低域がもう少し沈むような音だったら良かったなという印象は受けました。

ただ完璧に思い描く音ではないにしても、電池の面や物理的なサイズアップなどが煩わしいポタアンを持ち歩くことなく単体でコンパクトにここまでバランス接続を楽しめるのであれば満足かなと思います。価格を踏まえても。

アンバランスとバランスでは音が大きく違うので、バランス接続のイヤホンをお持ちの方は視聴の際にはバランスでも聴かれることをお勧めします。

総評

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コンパクトなサイズで本体自体の出来も良くクセの強すぎないデザイン。普段使いでイライラさせないための基本ともいえる快適なUI。これらの基本性能がしっかりしている上で実売63,000円程度という価格を踏まえれば納得のいく音質。

今回、私は63,000円程度で入手しましたが、現実的に~7万円程度を予算にいざDAPを選ぶとなった際に、ここまで綺麗に纏められたDAPは他に無いと思います。最上位のAK380の価格はこんなにしますので、AKの高価格化の流れを見ていると非常に頑張った価格にも思えます。

音を気にすべきDAPですが、所有してみて使ってみるとこの可愛らしい小型なサイズ・カラーリングでありながらクールなボディによくも綺麗にまとまってるな・・・と、ガジェットとしてどんどん愛着が湧いてきています。

音質を手に入れるために何かを犠牲にするのがこのオーディオ趣味だとは思いますが、全部入りが欲しいけどそんなにお金も出せなくて・・・という音以外にもわがままな方、小型ということを活かしてサブの音楽鑑賞用DAPとして割り切る方にはドンピシャなDAPではないでしょうか。

つまるところ私のお気に入りで長らく不動のポタ環境であるDX90+バランスアンプという構成や、これまで聴いてきて良いと感じたDAPの音自体は超えてはこなかったものの、納得のいく範囲の音質でかつうまい具合に全ての要素がハイレベルで纏め上げられたDAPであるために、製品として素晴らしいモノであるなと思います。

AKは異常に高い、高価格化が酷いというイメージがありましたが、AK300やAK70が出たことでうまく棲み分けすることができ、うまいなあと感心するばかり。

低価格帯のDAPも充実してきて、DP-X1やLUXURY & PRECISION L3なんかと迷われる方も多いとは思いますが、迷うのもまた楽しいです。音質はもちろんのことサイズ感や操作性も踏まえて是非自分にピッタリの1台を見つけてください。

AK70は良いぞ。