キーワードはNFMI・MiGLO。途切れない左右独立フルワイヤレスBTイヤホンの選び方




友人が左右独立型のフルワイヤレスイヤホンを買って失敗しました。

最近だと左右が繋がったBluetoothイヤホンであればAmazonで高評価なモノを買っておけば大丈夫だという印象ですが、左右独立のフルワイヤレスであれば違うと思います。

その友人が買った左右独立イヤホンを見ながら下手な左右独立フルワイヤレスイヤホンを買うと何がダメなのかを見て、選ぶポイントを解説。さらに、左右が途切れにくいNFMI対応イヤホンを纏めてみました。

 

ちなみにそのイヤホンとはコレ。

Eonfine Bluetooth ヘッドセットという製品。

Amazonでそこそこの価格で高音質を謳う製品を探し、一応レビューまで見て買ったというのですが、かな~り買ったことを後悔していました。確かにレビューも高評価が目立ちますが・・・?

友人のイヤホンのダメだったところ

左右が途切れる

個人的に一番に問題に感じるのは左右の途切れ。

片耳が突然、一瞬ではなく1秒以上途切れると頭が振られたような体が揺らされたような錯覚をして気持ち悪くなります。

そして繋がったり・・・また鳴ったり・・・・とストレスそのものです。

高域が極端に汚い

音楽をmp3などに圧縮するときは人間が聞き取りにくい高域からゴッソリ削って行きますが、おそらく左右の安定を図るためかかなり低い音質に設定されているのでしょう。高域が極端に汚く感じました。

検索すれば音質を褒めてるレビューも出てくるので怖いものです。レビュー依頼で頂いたものなのだからでしょうか・・・Amazonの商品名に高音質とあるのも???です。

マイクが使い物にならない

イヤホンが左右独立していると口までの距離が遠くなるのでしっかり声を拾うのが難しいです。

耳を中心に全体の音を拾ってしまっており、屋外で歩きながらの通話なんかは不可能と言っていいレベルでした。カフェですら周りの話声しか聞こえません。

マイク内蔵!!ハンズフリー!!!(使い物になるとは言ってない)

ペアリング・電源のオンが面倒くさい

まずこのイヤホンケースを取り出すだけでは電源が入りません。電源を個別で片耳ずつ入れる必要があります。

また、ペアリングの仕方も両方別々で小さなボタンを押し続けて、さらに左右が繋がるのを暫く待って・・・そこでやっとスマホでペアリング先を選択!と面倒くさい。

ペアリングは初回のみだから良いとしても、小さなイヤホンをケースから取り出して、さらに小さなスイッチを両方押して電源オンに4秒もかかるボタンを押して・・・とケースから取り出すだけで電源オンでないのは非常に面倒です。

 

ちょっとAmazonを覗いてみればこんなに不快要素があっても良いように商品説明がされているから恐ろしいです。低評価レビューこそまともで、多くの高評価は怪しいですね。

このように、ただ左右独立していれば良いのではなく、細かい不快要素を潰してこそフルワイヤレスイヤホンは快適になるので、選ぶのが難しいです。

じゃあ何買えばいいのよ!

フルワイヤレスイヤホンで見るべき項目

ONKYO W800BTやAirPodsなど様々なフルワイヤレスイヤホンを使っていく中で見えてきた本当に快適に使っていける基本性能とも言える機能性を以下に書いていきたいと思います。

  • 「NFMI・MiGLO対応かどうか」
  • 「ケースから取り出して電源オン→即ペアリングである」
  • 「イヤホンの左右同士の接続自体に一手間要らないか」
  • 「ケースを含めたバッテリーライフが長いかどうか、イヤホンの充電時間が短いか」
  • 「ケースが小型であるか」→すぐにイヤホンを仕舞えるようポケットに入るサイズが好ましい
  • 「コーデックがSBCオンリーではないか」→aac対応等でないと動画鑑賞でも気になる程度の遅延がある場合有り
  • 「マイクに工夫が見られるか」→口との距離が遠いので工夫していないとノイズを拾いすぎる
  • 「その他工夫点があるか」→AirPodsでは着脱を検知して再生停止機能、Appleデバイス間では各デバイスからAirPodsを選択するだけでイヤホンを呼び出せる。WF-1000Xはノイズキャンセリング搭載など。各社の腕の見せ所。

 

途切れないフルワイヤレス→キーワードは「NFMI・MiGLO」

左右独立イヤホンはまず片耳へbluetoothで音楽データを飛ばして、そこからもう片耳へ音楽データを飛ばして同期を取るという仕組みをとっています。

このもう片耳へ音楽データを飛ばすときの飛ばし方が重要で、途切れる・・・と言われる左右独立フルワイヤレスイヤホンはここにもbluetoothなどの高周波を用いています。

高周波は人体に吸収されやすく、頭の周りを通すしかありません。ですが周波数が高いと直進しやすい性質を持ち、高出力にする必要がある(電池を食う)などの問題から、頭の周りを通信させるのが難しく、更に外来からのノイズ等もあると余計に途切れやすくなるのです。

そこで登場するのがNXP Semiconductors社による「NFMI」という補聴器で発展してきた技術です。医療機器として発展してきたので信頼性も高く安全。

さらにNFMIをベースにワイヤレスイヤホン向けプラットフォームとして「MiGLO」という名前でブランディングされています。

NFMI・MiGLOはコイルとコイルの間に発生する電磁界の相互誘導を用いた技術。片方のコイルに電流を流せば、もう片方のコイルにも電流が流れる・・・この仕組みを利用しています。

磁界は円を描く用に広がる性質があるので顔の周りを通って反対側の耳に届くのです。だから途切れにくい。また、MiGLOでは10MHz程度という低周波の磁気を用いるので人体にも吸収されにくいです。
このように無駄のない通信が出来るので消費電力も抑えらたり、独自プロトコルで低遅延を実現などフルワイヤレスイヤホン用としては良いことばかりです。

NXPのリファレンスデザインと設計ガイドラインが示す範囲内であれば、イヤホンメーカーが音質やハンドリングの精度を高めるようなカスタムチューニングも可能で、例えば高音質化を図りたい場合には、基板から発生する磁気をコイルが拾ってしまうとノイズとして認識されて音質にも影響を与えるため、コイルと基板のデザインをしっかりと練る必要が出てきます。

このように、NFMIを採用していたとしても、各イヤホンメーカーの技術力に依存する面もあるようで興味深いです。

「NFMI」対応のフルワイヤレスイヤホンの比較

Apple AirPods

AppleはNFMI対応と言っていませんが、NFMIに対応していると言われています。スマホなどで培った凄まじい実装力を持っているのでNFMIの扱いもお手の物だったのでしょう、W1チップとの組み合わせで素晴らしいです。

フルワイヤレスとして抑えるべきポイントは完璧で、多くの工夫がつぎ込まれており、使い勝手は快適そのものです。
ガッツリ綺麗に音楽を聴くイヤホンでは無いもの、外の音も程よく取り入れながら音楽をプラスしてお散歩する・・・静かな空間で耳になるべく負担を掛けないように聴く・・・そんな用途には最適です。

比較的安価ですので、iPhoneユーザーであるなら絶対買ってもらいたい1つは持っておくべきイヤホンです。

  • バッテリーライフ:☆ (イヤホン単体で5時間・ケース込みで24時間・15分の充電で3時間再生可能)
  • ケースのサイズ :◎ (4.4×2.1×5.4 [cm])
  • 電源のオンオフ :◎ (ケースから取り出す・ケースへ戻す・片耳のみ使用は自動検知)
  • マイク・通話品質:◎ (屋外での通話も高品質。片耳での通話も可能)
  • 対応コーデック :〇 (AAC)
  • ドライバー   :ダイナミック型
  • 工夫点     :質感が良い、片耳での鑑賞・通話(左右どちらでも可)が可能、イヤホンの着脱検知で再生停止、イヤホンダブルタップでSiri/再生停止、Appleデバイス間での切り替えが楽
  • 価格      :¥16,800 (税別)

 

B&O Beoplay e8

登場して間もないイヤホンですがこちらもNFMI対応です。

同社製品のBeoplay h5がバッテリーライフなど割り切りはしていたものの、快適性と音質、見た目のかっこよさを上手に纏めていたところから個人的にはかなりハマった良い製品でした。e8も期待しています。

ソニーのワイヤレスヘッドホンに採用されているような外音取り込み機能があるので、カナル型でありながらイヤホンを外さなくてもちょっとした会話が可能そうなのは良いですね。
無指向性マイク搭載はおそらくこの機能のためだと思われますが、通話の品質が良いのかは不明です。H5同様に音質の評判は良い模様。

  • バッテリーライフ:〇 (イヤホン単体で4時間・ケースからの充電は最大2回分で計12時間)
  • ケースのサイズ :〇 (7.3×4.7×3.3 [cm])
  • 電源のオンオフ :〇 (ケースから取り出す・ケースへ戻す)
  • マイク・通話品質:?(無指向マイク)
  • 対応コーデック :〇 (bluetooth 4.2、AAC)
  • ドライバー   :5.7mm ダイナミックドライバー
  • 工夫点     :デザイン・ケースは本革など質感に拘り、音質に拘り、マイクから外音を取り込めるtransparency機能、専用アプリで各種調整、ハウジングにタッチセンサー搭載など
  • 価格      :¥30,463 (税別)

B&O Beoplay E8レビュー。NFMI対応で途切れ無し、音質・遮音性重視なら買い

2017.12.07

Nuforce BE Free8

クラウドファンディング「Makuake」発のフルワイヤレスイヤホン。

イヤーチップはSpinFitがBE Free8用に開発した超薄型フランジ仕様のもの。

3万円程度の製品が多い中、価格がAirPodsと同等でNFMI対応としては安価な部類です。対応コーデックもaptX Low Latencyに対応するなどしています。

ケースへの収納が若干しずらいなどの評判もあるようですが、NFMI対応で音質にも拘わっているようであり、価格も抑え目となればこの製品をチョイスするのが良いかと思います。

  • バッテリーライフ:◎ (イヤホン単体で4時間・ケースからの充電は最大3回分で計16時間)
  • ケースのサイズ :〇 (7×6×2.5 [cm])
  • 電源のオンオフ :△ (Lchをケースから取り出すと自動ペアリング、後にRchのボタン押す必要あり、オフは収納のみ)
  • マイク・通話品質:◎ (CVCノイズキャンセリングマイクを内蔵で喧騒の街中でも会話可能)
  • 対応コーデック :〇 (bluetooth 4.1、AAC、SBC、aptX Low Latency)
  • ドライバー   :5.8mm不活性金属コーティングダイアフラム
  • 工夫点     :IPX5準拠の防水、音質に拘り
  • 価格      :¥16,880 (税別)

 

EARIN M-2

クラウドファンディング発でフルワイヤレスイヤホンブームに火をつけたと言ってもいいEARIN。

ケースからイヤホンを取り出すだけで電源が入る、イヤホン自体の駆動時間が短い分ケースでイヤホンを充電などフルワイヤレスとしては必須と思われる仕組みや機能をいち早く搭載していました。

ただし、左右が途切れるという問題は多く指摘されており、ここでNFMI(MiGLO)対応となって帰ってきたのがEARIN M-2です。個人的にも注目している機種の一つです。プレスリリースを見る限りaptXにも対応しているようです。

  • バッテリーライフ:〇 (イヤホン単体で3時間・ケースからの充電を含めて12時間・イヤホン充電時間60分)
  • ケースのサイズ :◎ (円柱形の手のひらサイズ)
  • 電源のオンオフ :◎ (ケースから取り出す・ケースへ戻す)
  • マイク・通話品質:◎ (ノイズ低減機能により通話相手にも低ノイズな音)
  • 対応コーデック :〇 (Bluetooth 3.0 & 4.0 準拠、bluetooth 4.1、 AAC, aptX, SBC)
  • ドライバー   : Knowles 社製バランスドアーマチュア×1
  • 工夫点     :イヤホン左右にタッチセンサー、4つのマイクを搭載し外音取り込みレベルの調整が可能、付属イヤーピースは外来ノイズ低減の独自開発のもの、専用アプリによる各種調整
  • 価格      :¥29,800 (税別)

 

YEVO 1

スウェーデンに本社を置くYEVO Labsによるフルワイヤレスイヤホン。外音取り込み機能を備えつつデザインにもこだわっているようです。汗に強い防滴仕様なのもワークアウトをされる方は注目です。

  • バッテリーライフ:◎ (イヤホン単体で3-4時間・ケースからの充電を含めて20時間・イヤホンフル充電45分)
  • ケースのサイズ :〇 (四角柱系の手のひらサイズ)
  • 電源のオンオフ :(ケースから取り出す・ケースへ戻す)
  • マイク・通話品質:◎ (ノイズ低減機能により通話相手にも低ノイズな音)
  • 対応コーデック :? (bluetooth 4.1、SBC 遅延具合は不明)
  • ドライバー   : Knowles 社製バランスドアーマチュア
  • 工夫点     :イヤホン左右にタッチセンサー、通話用に1つ・集音用に2つ計3つマイクを搭載し外音取り込み、汗に強い防滴仕様、専用アプリによる各種調整
  • 価格      :¥29,800 (税別)

jabra Elite Sport

IP67の耐水設計と心拍数モニター、アプリでフィットネス分析が出来るのが特徴。汗による故障に対する 3 年間保証が付くなどワークアウト用途には良さそうなNFMI対応イヤホンです。

  • バッテリーライフ:◎ (イヤホン単体で4.5時間・ケースからの充電を含めて13.5時間・イヤホンフル充電45分)
  • ケースのサイズ :? 
  • 電源のオンオフ :(ケースから取り出す・ケースへ戻す)
  • マイク・通話品質:◎ ( 4 つの高性能マイクで、あらゆる環境下で音声のみが聞き取られるよう調整)
  • 対応コーデック :? (bluetooth 4.1、対応フォーマットは不明)
  • ドライバー   :?
  • 工夫点     :汗に強い防滴仕様、外音取り込み機能、専用アプリによるフィットネス分析、心拍数モニターなど
  • 価格      :¥30,370 (税別)

最後に

AirPodsの登場から1年経ちますが、未だに機能面やバッテリーライフにおいて非常に強いです。Appleユーザーでしたらお勧めです。

カナル型が良い、遮音性が欲しい!となればAirPods以外になりますが、音質を見るとなると個人的にはbeoplay e8に期待をしており、総合バランスとしてはEARIN M-2、価格を抑えるならNuforce BE Free8なのかな、と考えています。

途切れるってそんなに不便なの?と、思われるかもしれませんが、使ってみると個人的にはかなりストレスに感じました。耳に着けていると突然片耳がスーーっと鳴らなくなり数秒繋がらないままだったり、また繋がったりなど片耳だけ音が消えるせいで体を揺さぶられたような感覚にもなり、NFMI非対応なものだと途切れた際にイヤホンによっては左右の接続をやり直さなければ安定しないなど、面倒な場合もあります。

左右独立型のイヤホンは本当に細かい使い勝手の配慮ができているかが快適性の鍵となっており、NFMIですら各メーカーに依存する面もあり選ぶのが難しいのですが、取りあえずこのリスト内から選んでおけば左右の途切れ問題はかなり起こりづらく、その点においてはストレスフリーなはず。

途切れないフルワイヤレスオーディオで音楽を楽しみましょう!

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2016.12.24

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2016.11.02

 

Source:
NXP、市場最小の小型オーディオ機器ソリューションであるMiGLOプラットフォームを発表
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